健康な人でも口の中が汚れたり、唾液が減ったりして細菌が増えるとメチルメルカプタンが発生します。これに加えて歯周病になると炎症の起こっている部分から、このメチルメルカプタンが多数、産生されるので、強い口臭となるのです。つまり、子どもでも、強い口臭が感じられる場合は、歯周病の可能性大ということなのです。
歯周病になっている口の中には細菌の塊であるプラークが付着しています。プラークがあるとむし歯にもなりやすいので、早めに歯科に診てもらいましょう。
子どもに対する歯周病治療は、大人と基本的には同じです。歯に付いたプラークを歯ブラシで取り除き、歯石があればスケーラーという専用の器具で削り取ります。
子どもが嫌がるからと中途半端に治療をすれば、歯周病が再発してしまいます。ですから、遠慮はしません。
ただ、むし歯と違って歯を削る処置などがないので、泣き叫んだりする子は少ないですね。もちろん、嫌がるお子さんもいるので、いきなり、処置をすることはしません。最初は鏡を持たせたりして環境に慣れてもらい、治療自体も、子どもに明るく話しかけ、様子を見ながら、遊び感覚で受けられるように工夫しています。
小さいお子さんの歯周病治療では、親御さんへのブラッシング指導も重要です。「仕上げみがきは子どもに任せていました」という人が多いのですが、任せてはいけません。
もちろん、多くの子どもは仕上げみがきを嫌がるので、簡単ではないことは私たちも理解しています。歯科医や歯科衛生士は嫌がる子どもに対する仕上げみがきの方法を知っているので、ぜひ、聞いてほしいと思います。
仕上げみがきを何歳までやればいいのかについては、小児歯科でも明確には決まっていませんが、一般的にはむし歯になりやすい「6歳臼歯」が生えてきて、この歯がしっかり成長する「8歳くらいまで」が目安とされています。
私はケースによってはこの年齢を超えても、仕上げみがきをやったほうがいいと思っています。