具体的には8歳を過ぎていても、小学生であれば、「今からでもいいので、仕上げみがきをしてください」とお願いしています。
この年齢で歯周病になった子どもは、「歯が全くみがけていない」「歯全体にプラークが付着している」ことが珍しくありません。おそらく、きちんと歯をみがく習慣ができていないのだと思われます。
このような患者さんに歯科衛生士がブラッシング指導をしても、言われた通りにできない可能性があります。そしてそのまま、歯みがきを本人任せにしてしまうと、歯周病の再発を繰り返し、将来、本格的な歯周病に移行する危険があるのです。
小学6年生(11~12歳)までは、成長・発達の過程から、仕上げみがきをさせてくれるギリギリのところではないかと思います。反抗期の前のこの時期までが口腔ケアの大切さを身につけさせるチャンスです。
このようなお話に対し、親御さんはおおむね、好意的に受け止めてくれます。
「仕上げみがきをしてもいいのですか?」
と、戸惑いつつも、うれしそうな反応をしてくれる人も多いです。
後日、「仕上げみがきが、親子のコミュニケーションにつながりました」という話を聞くこともよくあります。
手を出し過ぎてはいけないけれど、必要なところはしっかりサポートしてあげる。子どものお口の管理にも、この姿勢が大事だと実感しています。