※写真はイメージです(写真/Getty Images)
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足の裏にできたほくろ、爪に出現した黒い線、いんきんたむし(陰部の水虫)だと思って水虫の薬を塗り続けても治らない病変……、これらはいずれも皮膚がんの疑いがあります。近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授の大塚篤司医師が見落としやすい皮膚がんについて解説します。

【ひと目でわかる】ほくろのがんメラノーマは体のどこにできる?

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 皮膚は特殊な医療機器を使わずとも肉眼で観察することができる臓器です。つまり、病院に行かないでも自分で観察し、おかしな病変を見つけることができます。そのため、皮膚がんは比較的早期発見がしやすいがんなのですが、それでも進行してから見つかる皮膚がんもあります。今回は見落としやすい皮膚がんについて説明したいと思います。

 まず、ほくろのがんと呼ばれる悪性黒色腫(メラノーマ)です。足の裏にできたほくろは危険と聞いたことがある人は多いのではないでしょうか? ほくろのがんは皮膚であれば体中どこにでもでき、日本人は足の裏にできやすいことが知られています。

 例えば、子どものころにはなかったほくろが足の裏にでき、だんだんと大きくなってきたという場合、また、左右が非対称でいびつな場合、一度皮膚科専門医に診察してもらったほうが良いでしょう。足の裏にかかわらず大きさが6ミリを超えるほくろは注意が必要です。鉛筆の裏で隠せないサイズが6ミリを超えますので、目安にしてください。

 次に爪に黒い線が入った場合です。これも悪性黒色腫の可能性があります。爪の根元から先にかけて黒い線が出現し、徐々に幅が広がってくる場合があります。ほくろが爪の根元にできてもこのような現象が起きるのですが、大人になってから爪に黒い線が入るのは悪性の場合があります。こういうタイプの皮膚がんがあると知らなければ気がつきません。とくにけがの後、治りにくい爪の変化には注意が必要です。

 けがといえば、高齢の人が頭をぶつけたあとにできる内出血も悪性腫瘍の場合があります。血管肉腫というがんです。このがんは非常に進行がはやく、肺に転移しやすいのが特徴です。若い人にできるのは珍しいのですが、高齢の人で外傷後の治りにくい内出血は、注意が必要です。目安としては1カ月、内出血がひかずに広がってきたら皮膚科専門医に診てもらうのが良いでしょう。

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いんきんたむしと誤診されやすいがん