東京工業大との統合へ向けた協議が始まっている東京医科歯科大学(東京都文京区)
東京工業大との統合へ向けた協議が始まっている東京医科歯科大学(東京都文京区)
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 利害が一致した。思惑が合致した――。東京工業大と東京医科歯科大が、統合へ向けた協議を始めることがわかった。なぜ、2校が統合するのか。キーワードとなるのは、「大学ファンド」「国際卓越研究大学」である。

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 政府は大学の国際競争力をつけるため、10兆円規模の大学ファンド(基金)を創設し、その運用益をもとに数大学に年数百億円ずつ配る(2024年度からの予定)。その対象となる「国際卓越研究大学」を公募する。

 東京工業大、東京医科歯科大が統合すれば、研究力が強化され、「大学ファンド」による資金獲得が得られやすい。2大学の統合協議は、資金獲得という利害、思惑がピタリと合ったから、と見ていい。

■一橋、東京外大、東京芸大を加えた「5大学連合」構想

 ところで、東京工業大、東京医科歯科大の統合話は、今回が初めてではない。

 2000年代前半、行政改革が進むなか、中央省庁の統合再編が行われた。文部省と科学技術庁が統合して文部科学省が誕生したのも、このときだ。そして、行政改革の流れは国立大学にも及び、大学の統合話が持ち上がってくる。

 その最たる動きが、前述の東京工業大、東京医科歯科大に一橋大、東京外国語大、東京芸術大を加えた「5大学連合」構想だった。人文社会、自然科学がほぼそろっており、東京大に匹敵する規模となる。

 2000年、こんな記事が出ている。とても興味深いので長くなるが引用する。

 このときの「一緒」案は、単位互換などの教育連携の域を超えた「統合」を意識したようにも思える。3大学が「一緒」を求めたのは、これまで東京大、京都大など旧制の帝国大学を起源とする大学に、煮え湯を飲まされた思いを抱いていたからだ。予算規模で東京外国語大は東京大の30分の1程度、東京工業大全体は東京大工学部の半分、といわれていたからだ。

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