写真はイメージ(GettyImages)
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 事務的な処理を含むコロナに関連した業務の増加は、医師だけでなく看護師や事務スタッフにも負担になっているようです。これまでにもクリニックに勤務するスタッフがコロナに罹患することはあったのですが、8月になり、体調不良を訴えるスタッフが増えました。誰かがコロナ罹患から復帰したと思ったら、また他の誰かがコロナに罹患してしまうような有様で、保健所の指示に従い10日間も自宅療養しないといけないため、残りのスタッフで仕事を回すことになり、更なる負担となっているように感じます。

 医師もコロナに罹患しないわけではありません。医師がコロナと診断された場合、代診を探すのがとても大変なようです。診療時間を短縮し、代理の先生が見つからない日は止むを得ず休診することもあります。コロナと診断されれば、一律に10日間も療養しないといけない今の措置には、限界があるように感じます。

 クリニックを受診される多くの方はコロナを心配し、PCR検査の実施をご希望されます。しかしながら、「体調が悪いから薬が欲しい。でも、コロナ陽性になったら仕事に行けなくなり困るので、検査はしない」とおっしゃる方が少なからずいらっしゃるのも大変よくわかります。

 まだ後期研修医だった頃、「インフルエンザになっても、多少体調が悪くても、休まず診療しろ」と上司に言われたことを覚えています。医師になってからインフルエンザには罹患していませんが、代診をお願いするのは大変なため、よっぽど体調が悪くなければインフルエンザの検査をすることはありません。コロナの検査も同じです。

 幸い、コロナのパンデミックになってから体調を大きく崩すこともなく勤務することができています。少し体調が悪いなと感じたことが数回あり、購入しておいた迅速抗原検査を念の為に行うも「陰性」でした。毎日たくさんのPCR検査や抗原検査を行っており、「いつかコロナになるだろう」と覚悟する日々です。

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2年以上コロナの疑いのある患者さんを診察して思うこと