2019年のU18のメンバーだった佐々木朗希
2019年のU18のメンバーだった佐々木朗希

 夏の甲子園も終わったが、9月9日からは米国フロリダで18歳以下のワールドカップが行われる。この大会に臨むU18侍ジャパンは既に始動しており、今日8月31日には大学日本代表との壮行試合も予定されており、どちらにもドラフト候補が多いということもあってその注目度は高い。しかし過去のこの年代の国際大会を振り返ってみると、苦戦しているのが現状である。侍ジャパンの公式サイトに記録が残っている2013年以降のU18の国際大会の結果を振り返ってみると以下の通りとなっている。

【写真】「甲子園はもう飽きた」と、試合当日ベンチ入りせずテレビで観戦した伝説の名将

2013年U18W杯:準優勝(優勝:アメリカ)
2014年U18アジア選手権:準優勝(優勝:韓国)
2015年U18W杯:準優勝(優勝:アメリカ)
2016年U18アジア選手権:優勝
2017年U18W杯:3位(優勝:アメリカ)
2018年U18アジア選手権:3位(優勝:韓国)
2019年U18W杯:5位(優勝:台湾)

 優勝は2016年のアジア選手権だけで、W杯での最高成績は準優勝にとどまっており、過去3大会に関してはすべて3位以下となっているのだ。これには日本ではどうしても甲子園大会が重要視され、代表チームの編成も難しいなど様々な理由があることは確かだが、世界の舞台だけでなく、アジアで勝ち抜くことも難しいことがよく分かるだろう。

 では過去のU18侍ジャパンで最も将来性が高い選手が揃っていたチームとなると、どの年代になるのだろうか。改めて振り返ってみたいと思う。2013年から2019年の7チームのメンバーで、その後プロ入りした選手をまとめてみると、以下のような結果となった(所属は現在。引退した選手は最終所属)。

■2013年:14人
松井裕樹(楽天)、山岡泰輔(オリックス)、田口麗斗ヤクルト)、安楽智大(楽天)、高橋光成(西武)、内田靖人(楽天)、若月健矢(オリックス)、森友哉(西武)、園部聡(元オリックス)、奥村展征(ヤクルト)、谷敬宥(阪神)、渡辺諒(日本ハム)、吉田雄人(元オリックス)、上林誠知(ソフトバンク

■2014年:10人
岸潤一郎(西武)、飯塚悟史(元DeNA)、高橋光成(西武)、小島和哉(ロッテ)、栗原陵矢(ソフトバンク)、岸田行倫(巨人)、岡本和真(巨人)、香月一也(巨人)、脇本直人(元ロッテ)、浅間大基(日本ハム)

■2015年:14人
佐藤世那(元オリックス)、成田翔(ロッテ)、高橋樹也(広島)、小笠原慎之介中日)、高橋純平(ソフトバンク)、森下暢仁(広島)、勝俣翔貴(巨人)、郡司裕也(中日)、堀内謙伍(楽天)、平沢大河(ロッテ)、宇草孔基(広島)、清宮幸太郎(日本ハム)、豊田寛(阪神)、オコエ瑠偉(楽天)

■2016年:12人
寺島成輝(ヤクルト)、藤嶋健人(中日)、堀瑞輝(日本ハム)、早川隆久(楽天)、藤平尚真(楽天)、高橋昂也(広島)、今井達也(西武)、島孝明(元ロッテ)、九鬼隆平(ソフトバンク)、入江大生(DeNA)、松尾大河(元DeNA)、鈴木将平(西武)

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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