今後、2013年の世代を上回る可能性を秘めているのが2019年のメンバーだ。宮城と佐々木は既にチームのエース格へと成長。今年は出遅れているものの、奥川も昨年はチームのリーグ優勝、日本一に大きく貢献している。さらに西も今年は一軍で結果を残し始めている。野手では一番人気だった石川が怪我に苦しんでいるが、森が今年は飛躍のきっかけをつかみつつある。
また社会人に進んだ林優樹(近江→西濃運輸)も今年のドラフト候補になっている。あまりいないタイプのサウスポーだけにプロでも重宝される可能性がありそうだ。U18W杯では佐々木が指のマメを潰したことで力を発揮できず、チームも5位という悔しい結果に終わっているが、改めてポテンシャルの高い選手が揃っていたことが分かるだろう。
今年のチームでは浅野翔吾(高松商)、松尾汐恩(大阪桐蔭)、山田陽翔(近江)が特に高い注目を集めているが、大学進学と見られている選手にも生盛亜勇太(興南)、渡部海(智弁和歌山)、伊藤櫂人(大阪桐蔭)、光弘帆高(履正社)、内海優太(広陵)など楽しみな選手は多い。今年指名される選手は少なくても、数年後に改めてこのメンバーがドラフト戦線を賑わせることになる可能性は高いだけに、高校卒業後のプレーぶりにもぜひ注目してもらいたい。(文・西尾典文)
●プロフィール
西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。