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 インタビュアーとしては、「この人の素敵な素顔を発見!」とうれしくなる瞬間です。その後、ガンジーのどんなところが好きなのか、話が弾みましたが、その部分は本編とは関係ないので編集でカットされてしまいました。しかし明らかにこの瞬間、「大好きな人の話」をする蛭子さんのご機嫌が上がりましたし、スタジオの雰囲気もパアッと明るくなりました。

 生の言葉のやりとりで、その人らしさがこぼれ落ちる瞬間があります。その言葉を聞き逃さず、「え? それってどういうことですか?」とさっと拾うと、予想もしなかった相手の「この人になら話してもいいかも」スイッチが入ることも。

 相手の口から出た言葉には、その人の素顔が見えます。

 その人にとってツボとなる言葉を拾えたら、より魅力的なインタビューになるのはもちろん、ご本人にとっても心地よい時間となります。

 ゲストの立場になってみてください。自分にしてみればなにげないことだと思っていた事柄に「え? それっておもしろいですね!」「もっと話を聞かせてください!」と予想以上に興味を持たれたら、やはり純粋にうれしいもの。「今のこの話で相手が喜んでくれている」と安心もしますよね。

「この方向で間違っていないんだ」と、肯定された気分になり、「この人はわかってくれるかも」と、その後も気持ちよく話ができるでしょう。思いがけない「裏メニュー」を供してくれるかもしれません。

■「すかさず!」ぐらいがちょうどいい

 相手のツボとなるこぼれ球を拾うためには、話を丁寧に聞くことです。別の言い方をすれば、相手の表情やリアクションも観察しながら、集中して聞くこと。

 そうすると、相手の話の中に「この人のその部分、もっと知りたい!」というフックとなる言葉に気づけます。それがつまり「こぼれ球」。

 その人の気持ちや意外な一面が見えたとき、素敵な言葉を受け取ったとき。あるいはつい笑ってしまったとき、知らない情報や知識にふれたときがサインです。

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残念な“あるある”は?