則本は入団から6年連続で二桁勝利をマークしていたが、大型契約を結んでからそれが途絶え、2年連続で5勝と低調な数字に終わっている。昨年は持ち直したように見えたが、今年も負けが先行し防御率も3点台後半と投高打低と言われているシーズンを考えるとかなり物足りないというのが現状だ。

 柳田も2020年は最多安打のタイトルを獲得するなど順調なスタートを切ったが、今年は打率、本塁打ともに大きく成績を落としている。山田も昨年は30本、100打点をクリアしたが今年は規定打席以上の打者としては打率部門で最下位争いを演じるなど低迷。ともにトリプルスリーを達成した時の成績と比べると、少し寂しい数字となっている。まだ契約期間は残っており、山田は今年で30歳と若いだけに今後また成績を伸ばすことも期待できるが、現時点で考えると大成功とは言いづらいのが現状だろう。

 大型契約も後半を迎えているのがともに巨人坂本勇人丸佳浩の2人だ。2019年から5年契約を結んでおり、ともに総額は25億円を超えると言われている。来年がその最終年となるが、ここまでの4年間をまとめてみると以下のような数字となった。

・坂本勇人
2019年:143試合 173安打 40本塁打 94打点 5盗塁 打率.312
2020年:115試合 119安打 19本塁打 65打点 4盗塁 打率.289
2021年:117試合 115安打 19本塁打 46打点 2盗塁 打率.271
2022年:62試合  63安打  5本塁打  28打点 2盗塁 打率.279

・丸佳浩
2019年:143試合 156安打 27本塁打 89打点 12盗塁 打率.292
2020年:120試合 120安打 27本塁打 77打点 8盗塁  打率.284
2021年:118試合 104安打 23本塁打 55打点 5盗塁  打率.265
2022年:122試合 126安打 24本塁打 55打点 5盗塁  打率.279

 坂本は大型契約1年目に自己最多となる40本塁打を放つなど見事な成績を残したが、それ以降は故障もあって右肩下がりという印象を受ける。特に今年は3度も登録抹消となるなどレギュラー獲得後最低の数字となることが濃厚だ。ショートからのコンバートを勧める声も上がってきており、来年が正念場のシーズンとなることは間違いないだろう。

 一方で、ここまで紹介した選手の中で最も安定しているのが丸だ。昨年は少し成績を落としたものの、それでも20本塁打をクリア。今年も坂本など他の主力選手が苦しむ中でも中軸としてふさわしい成績を残している。脚力の面ではどうしても全盛期と比べると落ちている感は否めないものの、まだしばらくは外野の一角を担うことが期待できそうだ。

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昨オフに大型契約を結んだ選手は…