8月にパイレーツを解雇となった筒香嘉智(ロイター/アフロ)
8月にパイレーツを解雇となった筒香嘉智(ロイター/アフロ)
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 打者としても活躍する“二刀流”の大谷翔平(エンゼルス)以外は、メジャーリーグで日本人野手の苦戦が続いている。

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 今季も秋山翔吾はシーズン途中に帰国して日本に復帰。筒香嘉智も渡米以来3度目の戦力外通告を受けた。NPBトップクラスで活躍してきた2人でも思うように行かず、米国では日本人野手への評価が下がっていると言われている。

「活躍が期待された2人の結果には驚いている。しかしNPBとMLBでは野球の質が大きく異なる。結果を出すためには技術、体力、メンタルに加え、適応能力も必要。2人は米国への適応に苦しんだということで、今後はこれまで以上に選手の適応能力が獲得の際に重要な要素となる」(MLBアジア地区担当スカウト)

 NPBを代表する2人のMLB挑戦に関しては大きな期待がかかった。しかし蓋を開けてみれば両選手とも米国野球への対応に戸惑い、時間だけが経過した。苦しんだ要因として、本来のプレースタイルから米国式への移行に時間がかかったことが考えられる。

 秋山はレッズと2019年オフに3年総額2100万ドル(約29億4000万円)で契約を結び入団。走攻守で高い評価を受け、メジャー移籍後も守備に関しては西武時代のような輝きを時折見せたが打撃では2年間通算で71安打と苦しんだ。

「3拍子揃った秋山にはイチローのような役割を期待されたが、2016年に216安打を放った打撃は通用しなかった。速球には力負け、動く球を打ち損じる。イチローも当初は戸惑ったはずだが、『走り打ち』の内野安打などを受け入れ結果もついてきた。同様の思考ができれば、ここまで苦しむこともなかったはず。守備の評価は高かっただけに残念」(在米スポーツライター)

 3年目こそはと臨んだ今シーズンも、開幕前にロースターから外れレッズから解雇。その後、マイナー契約を結んだパドレスも約1カ月で退団し、6月末に広島と3年総額5億で契約。メジャーでは活躍することなく日本への復帰を選んだ。

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筒香も一時は良い時期もあったが…