しかし今年は出場機会が激減。ここまで一軍で4試合、二軍でもわずか2試合の登板にとどまっている。若手投手に対して与えるプラスの面は確かにありそうだが、プレーの面でこのままの状態が続けば、選手としての再契約は難しいのではないだろうか。

 他にも昨年オフともに所属チームを戦力外となり、新チームに移籍した川島慶三(楽天)、DeNAの藤田一也(DeNA)の2人も一軍での出場機会は少なく、球団の方針によっては今年のオフも現役選手としての岐路に立たされることになりそうだ。

 その一方でまだまだ元気な大ベテランも確かに存在している。石川雅規(ヤクルト)はローテーションを飛ばしながらの起用にはなっているものの、ここまで12試合に先発して過去2年を上回る5勝をマーク。7月18日の巨人戦では4回で7失点と打ち込まれたが、約1カ月ぶりの登板となった8月23日の広島戦では5回を投げて3失点と試合を作っている。本人が大きな目標として掲げる200勝まではあと18勝となっており、大記録達成へのモチベーションも大きな追い風となりそうだ。

“松坂世代”で現役最後の1人となった和田毅(ソフトバンク)も健在だ。石川と同じく間隔をあけながらの登板となっているが、先発の一角を守りここまで4勝4敗、防御率2.95としっかり役割を果たしている。5月29日の広島戦では41歳にして自己最速となる149キロをマークするなど、身体的な衰えを全く感じさえないのは見事という他ない。パ・リーグのペナントレースは大混戦となっているが、チームが優勝を狙ううえでもキーマンの1人となるだろう。

 さらにタイトル争いに絡む大活躍を見せているのが今年で38歳となる平野佳寿(オリックス)だ。ここまで43試合に登板してリーグ2位タイとなる28セーブをマーク。トップの増田達至(西武)との差はわずかに1セーブとなっている。また防御率1.32、WHIP(1回あたりの被安打数プラス与四球)も0.68と投球内容を示す数字も圧倒的だ。現在日米通算221セーブとなっており、来年も調子を落とすことがなければ、名球会入りの250セーブも見えてくるだろう。

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ベテランたちの復活にも期待