昨年のセ・リーグ新人王の栗林良吏(広島)、パ・リーグ新人王の宮城大弥(オリックス)、佐藤輝明(阪神)、牧秀悟(DeNA)、伊藤大海(日本ハム)ら同様、今年もフレッシュな選手が活躍している。はたして今季の新人王は誰なのか。有力選手の活躍ぶりを紹介する(記録は9月6日時点)。
新人王の有資格者は、(1)支配下登録されて5年以内(2)前年まで1軍公式戦で投手は30イニング以内、打者は60打席以内の規定がある。
まずセ・リーグは巨人の大勢が新人王候補の本命だろう。開幕から巨人の守護神として活躍し、記憶にも記録にも残りそうだ。31セーブはマクガフ(ヤクルト)、山崎康晃(DeNA)に次ぐ3位。新人選手の最多セーブ記録である山崎と栗林の37セーブに迫る勢いだ。大勢が新人王になれば、巨人の選手としては2011年の沢村拓一以来で、セーブ王も16年の沢村以来(37セーブ)になる。
大勢が断トツの本命なら、「最優秀中継ぎ投手」の獲得が射程圏内の湯浅京己(阪神)が対抗だろう。DeNAのエスコバー、伊勢大夢という左右の中継ぎエースを上回る39ホールドポイントを挙げている。独立リーグ時代の監督だった伊藤智仁(現ヤクルトコーチ)の指導を受けたことでストレートの球速は150キロを超え、野球人生を好転させた。今季4年目だが、開幕時から「中継ぎ・湯浅―抑え・岩崎優」という勝利の方程式が確立していたら、阪神の開幕9連敗はなかったかもしれない。
その他の候補となると、巨人は山崎伊織が80回3分の1を投げて4勝4敗。ヤクルトでは木沢尚文が中継ぎで46試合に登板して8勝3敗6ホールド。長岡秀樹も面白い存在だ。高校出3年目ながら難しい遊撃のレギュラーポジションを奪取。規定打席にも到達し、7本塁打を放っている。宮本慎也以来、なかなか正遊撃手が定着しなかったが、これで安泰となるか。
阪神からは西純矢だろう。8月18日のヤクルト戦では、開幕9連敗以降チーム最多となる連敗を8で止め、同25日は好調DeNAの連勝を8で止めた。チームへの貢献度は大きい。高校時代は佐々木朗希(ロッテ)、奥川恭伸(ヤクルト)、及川雅貴(阪神)らとともに「BIG4」と並び称せられた。中日は高橋宏斗が5勝5敗ながら新人王有資格者最多の97回3分の2を投げている。奪三振はイニング数を上回る118個で、防御率は2.49だ。