
45日間の片づけが終わったとき、これまで自分だけでやっていた片づけ方では得られなかった満足感がありました。リビングで寝そべることが好きな夫も、スペースが広くなって自分の枕の置き場所もできたことで、心地よさそうです。
「自分でできないことを人に頼るのは、一つの突破口になりますね。でも、誰かにお願いしてきれいにしてもらっていたら、きっとまた汚くなってしまっていたでしょう。やり方を教わりながら、自分の手で自分が過ごしやすいように片づけたことに意味があると思います」
かつての“帰りたくない家”は、“早く帰ってくつろぎたくなる家”に変わりました。今では、仕事終わりの寄り道は一切ありません。
「あんなに好きだったフリマアプリも全然見なくなりました。不思議ですね。何も買いたくないんです。家でソファに座ってコーヒーを飲んでいるだけで、ものすごく快適」

貴子さんは知識をインプットするのが好きで、実際に行動に移すまでに時間がかかると自分のことを分析しています。片づけを通して、今年は“とにかく動く!”ということをテーマにしたと話してくれました。
「今まで片づけに悩んでいましたけれど、そこがクリアになった上に“自分でできた”という自信も持てました。料理とか掃除とかインテリアとか、さらに生活をブラッシュアップしていきたいですね」
目の前にある問題が解決すれば、未来が見えてきます。もし家が汚いことで明るい未来が描けないでいるなら、もったいないことですね。私は片づけにとらわれていた貴子さんのような女性を、軽やかに次のステップに進めるようなサポートを続けていきたいと思います。
●西崎彩智(にしざき・さち)/1967年生まれ。お片づけ習慣化コンサルタント、Homeport 代表取締役。片づけ・自分の人生・家族間コミュニケーションを軸に、ママたちが自分らしくご機嫌な毎日を送るための「家庭力アッププロジェクト?」や、子どもたちが片づけを通して”生きる力”を養える「親子deお片づけ」を主宰。NHKカルチャー講師。「片づけを教育に」と学校、塾等で講演・授業を展開中。テレビ、ラジオ出演ほか、メディア掲載多数。