
汚い家に帰るのがいやで、仕事が終わってからカフェで何時間も過ごしてから帰ったことも。片づけに関する本を読んだりセミナーに行ってみたりして実践してみたものの、納得できるところまでは片づけられませんでした。
夫とはたまに「片づけようね」と話をしますが、お互い積極的には動きません。この状態をなんとかしなければと、家庭力アッププロジェクト®を知ったときに参加を決意。
片づけていると、プレゼントなどでもらったモノに執着している自分に気づきました。ずっと使っていないのに、モノにまつわる思い出がよみがえると手放せない。
でも、プロジェクト中に気持ちが楽になるこんな学びがありました。
“プレゼントをくれた人が本当に贈りたかったのは、感謝やお祝いの気持ち。しっかり気持ちを受け取ったら、モノを手放しても罪悪感を持たなくていい”
「この話を聞いて、何十年も前に友人が小さなブーケをくれたときのことを思い出しました。お花はもうないけれど、もらったときのうれしさや彼女の気持ちは私の中で色あせていない。それが腑に落ちてから、いただいたモノも手放せるようになりました。もちろん、残しておきたいモノは捨てていませんけど」
さらに貴子さんのモノへの執着心を和らげたのは、ずっと保管していたブランドの洋服をリサイクルショップに売ったとき。
「10着で7,000円くらいになったらいいなって思っていたけれど、古かったのでたったの420円にしかならなかったんです!今まで420円にこんなに執着して場所も取って……ってショックでしたけど、なんだかスッキリしました」
不用品を手放すと、散乱していたモノたちの収納場所ができました。心が折れそうなときも、一緒に片づけを始めた仲間たちと励まし合うことで乗り切れました。少しずつ貴子さんの理想的な家に近づいています。
片づけに時間がかかってしまったのは、意外にもずっときれいだと思っていたキッチン。すぐに終わらせて他の部屋を片づける予定だったのに、使いやすくしようと手をつけたら、収拾がつかなくなってしまいました。
「横置きのお皿をワンアクションで取れるように縦置きにしたり、しまい込んでいたお気に入りの食器をすぐ使える位置に置いたり。悩みすぎて夜中にキッチンで寝てしまったこともありましたけれど、今はものすごく使いやすくてキッチンに立つたびにニヤニヤしています」