引退後は多くの名馬を生み出したディープインパクト
引退後は多くの名馬を生み出したディープインパクト
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 現役時代は無敗の三冠馬として、引退後は大成功を収めた種牡馬として大いに名を高めたディープインパクト。日本競馬史に残る名馬も、いよいよ今年の2歳馬がラストクロップ(最終世代)となる。そこで今回は「ディープインパクト産駒の最高傑作は?」というテーマを掲げてみた。

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 とはいえ、実績ではG1を7勝した女傑ジェンティルドンナが頭ふたつは抜けているのは周知の事実。2012年に桜花賞・オークス・秋華賞の牝馬三冠を達成し、この年のジャパンカップではひとつ年上の三冠牡馬オルフェーヴルを2着に下して勝利した(何度も馬体がぶつかるなどレース内容は物議を醸すものではあったが……)。

 さらに翌13年は現在でも史上唯一のジャパンカップ連覇を達成。さらに14年にはドバイシーマクラシックで海外G1制覇も果たし、暮れの有馬記念で有終の美を飾った。12年と14年はJRA年度代表馬に選出。獲得賞金はJRAだけで13億円を超えるなど、日本競馬史上でも屈指の名牝だった。ちなみに引退後には3番仔のジェラルディーナ(4歳牝馬、父モーリス)が今年9月のG2オールカマーを制し、母としても重賞初勝利を手にしている。

 このジェンティルドンナに次ぐ存在感を見せていたのは、コントレイルとグランアレグリアだろうか。コントレイルは20年に父に続いて無敗の三冠馬となる日本史上初の快挙を達成した。その後はG1で3連敗したことでやや株を下げた時期もあったが、引退レースだった21年のジャパンカップを快勝して名誉挽回を果たした。G1レース5勝はディープインパクト産駒の牡馬としては最多。後継種牡馬としても大いに期待をかけられている。

 グランアレグリアは、中距離以上での活躍馬が多いディープインパクト産駒としては異色で、短距離からマイルを主戦場に活躍した。2歳時は朝日杯フューチュリティステークスで牡馬に挑戦して3着に敗れたが、そこからぶっつけで挑んだ19年の桜花賞を快勝。翌20年は短距離の高松宮記念2着から始動し、安田記念、スプリンターズステークス、マイルチャンピオンシップとG1を3連勝した。

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海外で活躍した産駒は?