一方、平田は2005年に大阪桐蔭から高校生ドラフト1位で中日に入団して17年間プレー。通算成績は1227試合出場し、1046安打、105本塁打、484打点。2018年には外野手としてゴールデングラブ賞を獲得した。広いバンテリンドームを本拠地としながら、プロ6年目の2011年から6年連続で2ケタ本塁打を放つなど強打も光った。
「身体能力が飛び抜けており、足と肩に関しては球界トップクラス。打撃に関しても高校の後輩だった中田翔(巨人)が『絶対に敵わない打者』と当時、白旗をあげていたほど。プロでの結果は突出していないが、走攻守の全てで中日を引っ張った。チーム内でも慕われていたので、退団が決まって寂しがる選手が多かった」(中日担当記者)
「選手を褒めないことで有名な落合博満監督(当時)が、スイングの強さと守備を褒めることもあった。大舞台での勝負強さも印象に残っている。しかし高校時代からケガに悩まされ続け、能力を完全に発揮できなかった。コンスタントに試合に出られていたら歴史に残るような選手になれたかもしれない」(在京球団編成担当)
両選手とに来季のプレーを望んでいるが、先述したように現状評価には違いも見られる。理由はどこにあるのだろうか。
「松田はどんな時でも自分を抑え、チームに献身的な行動ができる。結果が出なくともベンチにいるだけで戦力になれる。また打撃だけでなく、守備固めなど様々な場面で使えるのも大きい。平田は職人的で自分の野球に固執しがちな部分もある。スタンドのファンとやりあったり、感情的になりやすいところはマイナスかもしれない」(スポーツマネージメント会社関係者)
「両者とも力が落ちているのは間違いない。しかし技術と経験は豊富なので、身体と気力が重要。松田は2000安打をはじめ、個人記録が目前に迫っておりモチベーションは高い。気持ちでプレーする選手なので、想像以上の結果が出るかもしれない。平田には常に身体の不安がある。高校時代から苦しむ肩、下半身など満身創痍に近い。昨年発症した異型狭心症も心配要素の一つ」(在京球団編成担当)