党本部のハラスメント対策委員会が委託した「外部相談機関」がまとめた報告書などによると、次期神奈川県議選の選挙区割り問題で、野田氏と佐々木氏が立憲会派内の方針と異なる立場を取ったところ、複数の県議から意見表明を制約され、圧迫的な面談や電話連絡を受け、理不尽な人事の割り振りを受けたという。告発の対象となっているのは4人の男性県議。外部相談機関は、そのうち3人の男性県議の「4つの発言」がハラスメントにあたると認定した。
ハラスメントの内容について、野田氏はこう明かす。
「今年3月中旬、会派内の県議団長(当時)から『会派の決定に反する行為は一切せず、また遵守すること』と一筆書くよう言われ、書かされました。やむを得ず、言うことを聞くような形にもっていかれました」
佐々木氏も、複数回、立憲会派の方針に賛成するように要求されたという。
4月中旬、佐々木氏は県議団長(当時)から呼び出しを受け、上役の男性県議3人が同席する個室で面談。本会議での採決に際し、「与党案」に賛成する立憲会派の方針に賛成するように繰り返し要求された。その席で、「(団会議の)採決には『従います』しか答えはない」「嫌なら出て行け」「本会議当日は起立採決をするため、欠席や病欠はしないこと」などと言われたという。
結局、後日開催された本会議を佐々木氏は体調不良で欠席。すると男性県議からこう迫られたという。
「(あなたでは)県民の負託に応えることはできない。どうぞ議員辞職してください。あなたは、政治家ではなく政治屋だ。政治屋である以上、出処進退といった思考はないはずです。いつ議員辞職をしますか」
これらの行為に対して、野田氏と佐々木氏は党本部のハラスメント対策委員会に被害を報告。2人の訴えは数人の弁護士たちで構成する「外部相談機関相談員」で審議された。
「『外部相談機関相談員』では、私たちからのヒアリングや資料に基づき、加害者からはヒアリングせずとも、客観的にハラスメントにあたると認定されました。その報告書は党本部に提出され、弁護士と党が面談しますので、地方議員の問題とせず党本部としての公正な対応を要望しています」(野田氏)