立憲民主党・神奈川県連所属の女性議員から「ハラスメント」の告発が相次いでいる。【前編】では横浜市議が訴えた「マタハラ」を詳述したが、それ以外でも県連所属の男性議員から「暴言をはかれた」「パワハラを受けた」という訴えが続出している。【後編】では、それらを訴える女性議員3人のケースを紹介する。リベラル政党の内部でいったい何が起こっているのか。女性市議や告発された“当事者”を取材した。
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今年7月に行われた参院選。立憲民主党は神奈川選挙区から宇宙航空研究開発機構(JAXA)の参事の水野素子氏、元県議の寺崎雄介氏の2人を擁立した。水野氏はJAXA(前身含む)に28年間勤務したキャリアと、2児を育てるワーキングマザーであることから「宇宙かあさん」の愛称で選挙を戦った。その選挙戦のさなか、立憲神奈川県連所属議員が加わるグループLINEにこんな投稿がされた。
<『宇宙かあさん』ってネーミングはなんだ!? 有権者を馬鹿にしているのか!と支援者から言われる。たまったもんじゃない>
<舐めたまねしやがって。徹底的に叩く>
さらに水野氏を応援する国会議員らを名指しし、
<宇宙を応援しているヤツは、ポンコツばかりです>
<女性だとかジェンダーだとか、ほざいている連中ってキチガイしかいないんですかね>
と差別的な表現まで使って徹底的にコキおろしている。
投稿の主は立憲神奈川県連に所属する浦道健一県議。リベラル政党の議員としては、耳を疑いたくなるような言葉が並ぶが、なぜこんな投稿がされたのか。
その背景について、神奈川県逗子市議の加藤秀子氏はこう話す。
「浦道氏は水野さんを支援する党内の議員に対して相当な不満を持っていて、自分が推す寺崎さんの支持に回るよう恫喝のようなことをしていました。私も(候補者決定前に)浦道氏からの意向を受けた議員から『神奈川県として寺崎さんの推薦人のところに名前を書くように』と言われました。しかし当時はまだ真山勇一(前)参院議員が3期目に挑戦する意向を示していたためお断りをしました。その後、浦道氏が『寺崎の推薦人に名前を書かない加藤は絶対に許せねぇ』と議員の中で言っているというのを人づてに聞きました」