加藤氏は冒頭のLINEグループには入っていなかったというが、こうあきれ返る。
「自分の言うことを聞かないと、『ポンコツ』とか『徹底的にたたく』などと脅してくる。ジェンダーに問題意識がある人を『キチガイ』と差別用語でののしるのは、完全にアウトだと思います。このLINEを見たら周囲は“たたき潰される”と怖くて声を上げられなくなる。自分が応援する候補の陣営にも表立って行きにくくなります。脅しで相手に言うことをきかせようというのは卑劣です」
加藤氏によると、浦道氏は以前から自身の意に沿わないことがあると、恫喝めいた言動をしたり、非公認をちらつかせたりすることがあったという。
昨年11月の立憲の代表選の際も、浦道氏が支援する泉健太氏(現代表)と違う候補を加藤氏が応援したことで、浦道氏から激高されたという。
「私は(泉氏の)対立候補だった小川淳也衆院議員を応援していました。ちょうど小川氏の選対で作業をしているとき、浦道氏から電話がかかってきて『泉健太を応援してくれ』『こちらは県連幹事長と幹事長代理のオレとで既に県連内の過半数を集めている』と言われたんです。私は小川氏を応援していると断ったのですが、浦道氏は『なんでだよ。オレと泉とはいつも一緒に飲んでいる仲だ。小川とも飲んだことがあるが、あいつではダメだ。(2022年)3月には逗子市議選があるだろ。これから公認を取っていくなら、泉をやった(支援する)ほうが公認も取れるし、絶対いいからやれよ』と畳みかけられました」(加藤氏)
加藤氏は、ジェンダー平等は党の理念であり綱領や規約で明記されていること、浦道氏の行動は明らかに反党行為であることから党員としての欠格事由にあたると考え、党本部に直訴することを決意した。
今年8月上旬、浦道氏への除名処分を求め党本部に被害を訴えた。しかし、同月下旬には、なぜか県連に差し戻されてしまったという。このままでは事実が隠蔽(いんぺい)されてしまうと感じた加藤氏は、先月、記者会見という形で自身にされたことを表沙汰にした。