撮影者が誰であろうと、手前に邪魔なものがあろうと、撮りたい人だけを常に追いかけ、ブレずに鮮明に撮影できなければならない。しかも晴れの昼間だけではない。夜間もあれば、雪の日もある。
撮影するのが初心者であっても操作の難しさを感じさせないために、製品の内部では膨大な処理が行われている。しかし、電源の制約が大きい小型ビデオカメラなので、処理の方法をかなり工夫しないとできることは限られてしまう。そんな厳しい世界なのだ。
ソニーの研究所にはコンピューターやバッテリーの性能がアップした時点で搭載できる数多くの情報処理技術が出番を待っているという。
現在、EVの世界で先頭を走っているのは米テスラだ。前出の舘内さんは今後のEV市場を、こう予測する。
「テスラはエンジン車を作った経験ないんですよ。だから何のしがらみもなくEV市場に入っていった。しばらくはテスラが先頭を進み続けるでしょう。でもこれからは競合他社がたくさん出てくるのでいつまでも安泰とはいかない。第二のテスラが出てきてうまく切り抜けるかもしれません」
果敢なチャレンジ精神を持つ創業者が生み出した企業、ホンダとソニーがEVで手を組むのは自然なことと思える。これまでの報道でも期待するコメントがたくさん寄せられている。夢を実現するための技術は十分にあるだろう。ソニー・ホンダモビリティが第二のテスラになるのか、わかるのは3年後だ。
(AERA dot.編集部・米倉昭仁)