当然、私の会社に来た依頼は断ったけれど、「わからせ」を「新しいエロジャンル」として、「どうせなら私たちのものにして、女ものでつくってしまおう」という女性のクリエーターの意気込みも、言葉を選ばないで言えば、ただただ哀れにしか感じない。どこまでこの国に生きる女たちは「わからせ」られているんだろう。

 社会は正しいことだけでキラキラと彩られているわけではなく、その必要もない。猥雑なものが含む自由を大切にしたいという思いも私にはある。でも、一方が一方の性をここまでおとしめ、暴力的に消費し、性暴力すら娯楽にするような産業の影響力は、決して無視できないところまできていると思う。少なくとも、「女性の安全」というものを全く重要に考えない社会で、エロの危険水域はもうとっくに超えているのかもしれない。

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