スポーツ紙デスクはある懸念を口にする。
「山田の打席を見ると気になるのは、打ち損じが多いことです。甘い球をファウルにしたり、空振りするので打率が上がらない。ボール球をきっちり見極めている打席も少ないように感じる。心配されるのは動体視力の衰えです。まだ30歳と若いので、急激に落ちることは考えづらいが、二塁の守備では軽快な動きを見せていたので体のコンディションが悪いようには感じない。天才打者は早熟が多い。野球人生の分岐点を迎えていると思います」
日本シリーズでも7試合出場で打率.083、1本塁打、3打点。3戦目に先制の右越え3ランを放つなど2安打をマークしたが、他の試合は無安打に終わった。来季も復活の兆しが見えなければ、チーム作りは再構築を迫られる。野球人生の折り返しを迎え、山田はどのような進化を遂げるか。ヤクルトの命運を握るキーマンであることは間違いない。(梅宮昌宗)