岸田首相も派閥のトップとして昨年の自民党総裁選に出馬し、高市早苗、河野太郎、野田聖子ら各氏と争った。
自民党のある閣僚経験者がこう話す。
「茂木氏が最有力候補だろう。旧統一教会問題をうまくかたづければその手腕が評価され、『岸田首相ではダメだから茂木氏だ』となる流れが作れる。ただ、旧統一教会問題で失敗すれば、岸田首相とともに連帯責任となる。茂木氏は旧統一教会問題の成否にかかっている」
昨年の自民党総裁選に出馬した、高市、河野、野田の各氏も有力候補であることには違いない。とりわけ、安倍晋三元首相が強く推して岸田首相に続く2位となった高市氏に注目が集まる。
高市氏は、安倍氏のバックアップで、最大派閥の安倍派を中心に推薦人20人を確保した。だが、安倍氏亡き後、清和会は後継が決まっていない。
「前回は、安倍政権に加えて、小泉純一郎氏、福田康夫氏と総理を輩出してきたこともあって、清和会独自の候補は自重した。だが、岸田首相の後という政局になれば、最大派閥として絶対に擁立するという主戦論が大勢です」
と安倍派の議員は力説する。
今は塩谷立氏が会長代理に就いているものの、松野博一官房長官、西村康稔経済産業相、下村博文元文部科学相、萩生田光一政調会長、世耕弘成参院幹事長と、トップを狙う候補はめじろ押し。それゆえ、
「まとまらないのです。ただ、前回のように派閥ではない高市氏を推すようなことは絶対にない。反対に安倍派がまとまらず、複数出ることは考えられます」(前出・安倍派の議員)
田村氏は、こう見る。
「菅義偉前首相、岸田首相と、安倍長期政権をうまく引き継いだ人が首相になり、自民党内では大きな闘争は起こらなかった。だが、次は大きな争いになると思う。特に岸田首相の後は、今のところ抜きんでた候補はいません。そうなれば、政治闘争に強いのはがぜん二階俊博元幹事長です。今は非主流派とはいえ、右に出るものはいないでしょう」