このように、親に片付けを促す際の声がけにもコツがある。言い方を間違えるとケンカにつながり、うまく物事が進みにくくなるので要注意だ。
【親に言ってはいけないNGワード】
1.片付けて! 片付けるよ/捨てるよ
2.どうせ使わないんでしょ? どうせ着ないんでしょ?
3.いつか使うって、いつ?
4.汚い
5.古すぎ
6.なにこれ!
7.物が多すぎ
8.なんでこんなもの取っておくの!
9.荷物を残されて困るのは私なんだから
10.いつもこうなんだから
11.私の言うとおりにしてよ
12.前は片付けられたのに
13.こんなのいらないでしょ
上の一覧は、口にすると片付けがうまく進まなくなるNGワード。子ども側からすれば、“ついつい言ってしまいがちな言葉シリーズ”なのだが、悪気がなく言った言葉でも、言われた親にしてみれば、人格や積み上げてきたものを否定されたように感じてしまうことがある。
「大切なのは、“説得”ではなく“納得”するようにどう持っていくか。そのためには、子どものメリットではなく、親のメリットを考えて声をかけること。例えば、『片付けて!』と子どもから言われると、親はカチンときて、素直に聞けないもの。一方的に伝えるのではなく、親には健康で安全に暮らしてほしい、片付いていないと転倒やケガの恐れがあり心配、物がどこにあるかわからないと探し物が増えて困るのではないかなど、“親のことが心配”という気持ちをうまく伝えて」(同)
■寂しさや不安で物をため込む
あわせてポイントになるのが、自己肯定感を上げる話し方。これは片づけヘルパーである永井さんが、片付けの現場に入る際にも実践しているコツだ。
例えば、子どもが実家の片付けを依頼し、子どもが親を説得するような形で、現場でのすり合わせがスタートする場合。永井さんは親に対し、「お母さんが困ってなくて、元気だったら今のままでもいいと思いますよ。お子さん、あんなことおっしゃっていますが、なかなか厳しいですね~」と寄り添いながら、さりげなく水を向ける。「あなたが悪いわけじゃない。大丈夫ですよ」という姿勢で寄り添うのだ。すると親が「いや、実は私も散らかっているとは感じていて、困っているんです」となるケースも多いという。