強力な中盤を誇る一方で、守備陣のタレント力はやや落ちる。GKリバコビッチ(ディナモ・ザグレブ)に、DFは右からユラノビッチ(セルティック)、ロブレン(ゼニト)、グヴァルディオル(ライプツィヒ)、ソサ(シュツットガルト)の4枚がグループステージ3試合で不動だったが、いずれの所属クラブを見ても中盤3人に比べるとワンランク落ちる。ただ、高い集中力と組織力があり、今大会ではグループステージ3試合で1失点のみの“堅守”を誇っている。特に20歳のグヴァルディオルは強さと速さ、足元の技術を併せ持った将来が嘱望される左利きの現代型CB。大会開幕前に鼻骨を骨折するアクシデントに見舞われたが、フェイスガードを付けた“バットマン姿”で奮闘。球際の強さを見せながら好プレーを連発している。

 そして3トップのFW陣では、左ウイングのペリシッチ(トッテナム)に要注意だ。強さと巧さを生かしてチャンスメイクし、左右両足から放たれるクロス、シュートは非常に精度が高い。さらに警戒すべきが、クラマリッチ(ホッフェンハイム)。準優勝した前回大会決勝のピッチにも立った31歳は今大会、第1戦ではCF、第2戦、第3戦では右ウイングで出場し、第2戦では巧みなポジション取りと、鋭い切り返しからの左足で計2得点をマークした。前線を自在に動き回りながらフィニッシャーとして機能しており、日本DF陣はペナルティーエリア内でこの男のマークを決して外してはならない。

 今大会のチームとしての戦いを振り返ると、グループステージ第1戦はモロッコ相手に0対0。ボール支配率57%を記録したが、シュート数は6対8。相手の激しい守備の前に攻めあぐね、枠内シュートは2本のみだった。だが、続く第2戦ではカナダ相手に4対1の快勝。クラマリッチの2得点に加え、CFで出場したリヴァヤ(ハイデュクスプリト)が強烈なミドルを決め、終了間際にはカウンターから途中出場のマイェル(レンヌ)がダメ押しゴール。ボール支配率は41%で、シュート数は13対9だった。そして第3戦は、強豪ベルギーを相手に0対0。ボール支配率は43%で、シュート数は11対15。結果的には無得点に終わったが、攻撃陣は相手が世界最高峰のGKクルトワでなければ、1、2点は入っていてもおかしくなかった内容で、守備陣も負ければグループリーグ敗退という中で最後まで体を張った。前回ロシア大会で見せた団結力は今大会も間違いなく高く、ムードも高まっている。

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チームの“疲労度”では日本代表に分がある?