史上4回目の決勝トーナメント進出を果たしたサッカー日本代表
史上4回目の決勝トーナメント進出を果たしたサッカー日本代表
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 土俵際から再び逆転での“大金星”を挙げ、グループE1位で2大会連続4度目の決勝トーナメント進出を果たした日本代表。「まだ見ぬ景色」である日本史上初のベスト8進出へ向けての“次なる壁”は、グループFを2位で突破したクロアチアになった。果たして、森保ジャパンは勝利することができるのか。

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 バルカン半島に位置する旧ユーゴスラビアの構成国で1991年に独立したクロアチア。W杯には3大会連続6回目の出場で、前回大会準優勝の実績を持つ。今大会前のFIFAランクは12位で、優勝オッズは32カ国中11位タイの51倍。日本(FIFAランク24位、優勝オッズ251倍)よりは格上だが、戦力的に世界のトップ8には入っておらず、日本がグループステージで対戦したドイツ、スペインよりも選手個々のタレント力、チームの総合力は間違いなく落ちる。これまでよりも対等な形で試合を進め、ボール支配率、チャンスクリエイト数、シュート数も含めて、内容的にも接戦に持ち込めるはずだ。

 だが、クロアチアが“強い”ことは間違いない。チームの中心は、前回2018年W杯の大会MVPで同年にバロンドールも受賞した「魔術師」モドリッチ(レアル・マドリード)。身長172センチ、体重66キロと小柄ながら、ピッチ上で放つ存在感は誰よりも大きく、柔らかいボールタッチと高精度のパスに加えて、豊富な運動量で常にボールに関与して試合のリズムを作る。37歳となっても衰えを感じさせず、依然として世界最高峰のゲームメーカーだ。今大会でもグループステージ全3試合にスタメン出場し、相手DFラインを突破するラインブレイク成功数61回、クロス数18本はともにチームトップを記録している。意表を突くアウトサイドキックと、ミドルレンジからでもゴールネットを揺らせる能力に、日本のDF陣は警戒したい。

 システムは不動の4-3-3で、特に中盤3人のクオリティが非常に高い。モドリッチとともにインサイドハーフに入るコバチッチ(チェルシー)にはドリブルでの推進力があり、アンカーのブロゾビッチ(インテル)はパスでの展開力が武器。このワールドクラスの3人が織りなすトライアングルには、技術、戦術眼、そして力強さがあり、バランス、コンビネーションも抜群。いずれも3大会連続のW杯(モドリッチは3大会連続4度目)出場と経験も豊富だ。基本的にはポゼッション志向だが、試合の中でどのようなゲーム展開になっても対応できる柔軟性もある。

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強力な中盤を誇る一方で…