また、「~世代」というキャッチこそないが、2002年生まれで二十歳の岩井千怜がNEC軽井沢72ゴルフトーナメントとCAT Ladies 2022で連勝すると、2003年生まれの川崎春花が日本女子プロゴルフ選手権でツアー初優勝をメジャーで達成。その翌週には住友生命Vitalityレディスで川崎と同じ2003年生まれの尾関彩美悠がツアー初勝利を挙げており、「~世代」の“次世代”が早くもその存在感を高めつつあるのだ(川崎はマスターズGCレディースで2勝目も獲得)。
つまりこうして今季の女子ツアーを見てみると、38試合中26大会は24歳以下の日本人選手が制したということになる。しかもこれは、各世代の代表格と言える渋野日向子(黄金世代)、古江(プラチナ世代)、笹生優花(新世紀世代)が米女子ツアーを主戦場としている中でのデータだ。26勝の中には富士通レディースで優勝した古江の1勝も含まれるが、全体の7割近くを24歳以下が制していることは、いかに「~世代」の層が厚いかが垣間見れる。
例えば、渋野が優勝した昨年のスタンレーレディスで2位タイとなった19歳の佐藤心結や、2021年日本女子オープンで7位タイとなりローアマを獲得した同じく19歳の竹田麗央は、その層の厚さを象徴するプロたちだろう。
佐藤は、7試合連続予選落ちなどまだまだ荒削りだが、川崎が優勝したマスターズGCレディースで優勝争いを展開し2位タイ。メルセデスランキングでも29位となり堂々と来季のシード入りを決めた。一方の竹田もメルセデスランキングでは58位だったが、QTファイナルステージでは22位となり来シーズン前半戦のフル参戦を確定させている。
彼女たちだけではない。そのQTファイナルステージで4位となった11月のプロテストに合格したばかりの女子大生プロ、荒川怜郁も来シーズンは注目だ。中部学院大3年に在学中の荒川は、2001年生まれで山下、西郷と同じ“新世紀世代”。地元沖縄が舞台の今季開幕戦ダイキンオーキッドレディスで10位タイとなった他、身長170センチと体格にも恵まれており、平均飛距離は250ヤード。シーズン10勝した“新世紀世代”にこの荒川が加わることで、ますます混戦となりそうだ。