同年、2年連続リーグ優勝をはたした巨人は、V決定から3日後の11月2日、藤岡貴裕、田原誠次、加藤脩平、村上海斗の支配下選手4人と、高井俊、巽大介、橋本篤郎、高山竜太朗、山上信吾、荒井颯太、比嘉賢伸、折下光輝、笠井駿、ラモスの育成選手10人の計14人に戦力外通告を行った。

 ドラフトで育成と合わせて大量19人を指名したのを受けてのもので、さらに11月11日から12月2日にかけて宮国椋丞、ディプラン、モタ、吉川大幾、パーラ、育成の広畑塁、小山翔平も戦力外通告を受け、引退の岩隈久志と併せて計22人が退団した。

 ネット上では「ここまで若手をバッサリいくとは」「今後入ってくる選手には悪影響にならないのか?」など、驚きの声が上がる一方で、同年1軍登板ゼロに終わった野上亮磨の名前が入っていなかったことを「意外過ぎる」と訝しむ声もあった。

 だが、これほど大規模な血の入れ替えを行ったにもかかわらず、その後、巨人は2年連続V逸。人数は多くても、主力級が皆無に等しいリストラは、「危機感をあおる」という意味でも、効果が薄いのかもしれない。(文・久保田龍雄)

●プロフィール
久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍プロ野球B級ニュース事件簿2021」(野球文明叢書)。

著者プロフィールを見る
久保田龍雄

久保田龍雄

久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

久保田龍雄の記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
「昭和レトロ」に続いて熱視線!「平成レトロ」ってなに?「昭和レトロ」との違いは?