■みんなが陥る「割引」の勘違いとは?
でも、普通の日に「TKG(卵かけごはん)を作ろう!」と思って、卵を買いにいったはずが、「3割引」のシールに惹かれて、お寿司を買って帰ったとしたら、逆に高くついてしまっています。
はい、これは不正解。
寿司と一緒に、あなたの弱みも握られていますね。
あとスーツやメガネなどでよくある「2つ買ったら1つタダ」という割引。
僕はこれを、メガネを買ったときに利用したことがあります。
新社会人の方も、たとえば夏と冬に1着ずつそろえるなら、そんなお店のスーツでもいいかもしれません。
でも、勘違いしないでください。
1つの値段で2つのものが買えているわけではないからです。
そもそもお店が損しているはずはないので、2個のメガネの料金、2着のスーツの料金をちゃんと取っていると、理解しましょう。
もちろん、一つ買ってしまったら、もう一つはもらっておいたほうがいいです。でもそもそも、1着のスーツを1着の値段で売るお店に行ったほうが、良い質のものが買えるかも。
僕はこんなふうに考えるので、めったに割引には惑わされません。
けれども、僕の祖父は違ったようです。
祖父はガレッジセールが大好きでした。日本で「ガレッジセール」というと、人気お笑いコンビが思い浮かぶかもしれませんが、アメリカだとガレッジ(家の車庫)の前で不用品が売られている、一家族だけのフリーマーケット的なものを、みんな思い浮かべます。
ガレッジセールを見かけたら必ず立ち寄っていた祖父は、10ドルくらいで売られているスーツケースを見るたびに「すごい割引だ!」と、喜んで買って帰ってきました。
祖父が亡くなって、遺品の整理をしていたある日、屋根裏部屋から数えきれないほどのスーツケースが出てきました。
しかも、ほとんどのものは、祖父が一度も使った形跡がなく、家の中で場所を取っていただけ。