ここ数シーズンは腰に持病の影響もあり、怪我で戦線を離脱することも目立ってきた。2019年に全試合出場を果たしたのを最後に出場試合数は減少。プロ16年目の今季は左脇腹痛の負傷で開幕戦に間に合わず、4月31日の試合では守備中に右膝を痛め離脱。さらに7月には腰痛が再発して2度目の離脱となり、結果的に83試合出場にとどまった。

 コンバートのポジションとしては一塁手や三塁手が候補とされているが、チーム事情的に外野手に転向するとも見られている。コロナウイルスの影響で開幕が遅れた2020年のシーズン前にはジャイアンツ球場での調整中に外野の守備練習をして話題になったこともあった。本人は広報を通じて「今日の練習で外野手は断念します。諦めます」とコメントしたが、今では外野へのコンバートは当時より現実味を増している。

 これまで内野手から外野手にコンバートされ、守備でも成功した例としては中日時代の福留孝介、日本ハム時代の陽岱鋼などがいるが、いずれもキャリアの早い段階での転向。坂本は年齢的にはベテランとなってからのコンバートとなるが、その部分で心配がないとも言えないが……。

「チームでも上位に入る俊足強肩なのは誰もが知るところ。野球センスの塊のような選手なので、実戦をこなしていけば慣れるはず。コンバートは年齢などを踏まえ無理をさせないためだが、やり方次第では外野手でも一流になるだけの資質はある」(在京球団編成担当)

 とはいえ、やはりこれまで長く名門の遊撃手を務めてきたことにプライドがあるのも間違いない。チーム事情だけでなく、メンタル的な部分でのケアも必要になってくる。

「本人の気持ち次第ではるが、(状況的に外野を含め)コンバートした方が良いとは思う。あとは原辰徳監督が納得させて、気持ち良くプレーさせることが大事。一方的な命令でやらせてもダメ。結果が出ないだけでなく、慣れないポジションで怪我にもつながることもある。監督にとっては非常に重要な決断になる」(巨人OB)

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