「(ドラフト指名後に発覚した)右手首の症状は重症ではなかったらしいが、来日以後も慎重な育成方針が取られた。実戦登板はもちろんブルペンやキャッチボールを含め、徹底した球数制限がなされた。アマチュア時代の評判、契約内容などから大きな期待をしたが、今のところは肩透かしを食らった感じ」(ソフトバンク担当記者)

「ポテンシャルの高さはわかっていた。来日当初と比べて身体も出来上がりつつある。しかし3年目での一軍デビューは、日本の高校生投手と同じ進捗状況。契約条件等を考慮した場合、コスパが良いとは決して言えない」(在京球団編成担当者)

 来日1年目は体力作りと環境の適応に費やし、三軍戦のみの登板に終わった。翌2020年には二軍戦で67ニングを投げて、3勝7敗、防御率4.16をマーク。そして3年目の2021年4月17日の西武戦で待望の一軍デビューを果たした。最終的にその年は11試合に登板(うち先発は4試合)、0勝2敗、1ホールド、防御率6.08という内容だった。

 今季は二軍で14試合(うち11試合は先発)に登板して、防御率3.19。イニング数とほぼ同じ52奪三振をマークしたが、一軍での登板はなくシーズンが終了した。

「着実に進化しているのは間違いなく、スチュワート本人も手応えを感じているはず。しかし6年契約が終了すればMLBに移籍するのは既定路線。球団としては来シーズンは早い段階から一軍で起用したいはず。残りの契約期間内で見ている人々を納得、圧倒するような投球が見たい」(在京球団編成担当者)

「体調不良が原因で(11月からプエルトリコで行われている)ウインターリーグから直接米国へ帰国した。契約には球数制限などの他、体調面で無理させないような条件もあるのだろう。ソフトバンクとの契約が終わった後に米球界に復帰する場合、ここから先のアピールが重要。来季以降のモチベーションが高いのは間違いない」(大手エージェント会社関係者)

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来季こそブレイク?