「球界のコーチ人事には実力以外のものが関わることがある。編成部、監督など上層部との関係性や学閥によってコーチが決定する場合も多い。FAで移籍した時などに現役引退後のコーチを約束することもある。河田コーチは指導者としての技量で声がかかっている」(在京球団編成担当者)

「3球団のみでのコーチは本人のこだわりも大きい。コーチ職を務めれば各球団の機密情報が手に入る。スパイのようにそれらを活用してまで成り上がる気持ちはない。自身が1度関わった選手は、最後まで面倒をみたい思いも強い。他球団からも誘いはあったそうだが、河田さんらしい部分」(西武関係者)

 とはいえ、もちろん人間性だけでコーチ業を続けていくことはできない。的確な技術指導、実戦で使える心構えなどを教える術にも長けている。得意分野である外野守備と走塁に関しては、球界屈指の知識とこだわりを持つ。

「当初は、西武に追い付け追い越せだった。対戦相手として見ていた際、広島の守備、走塁に関して不満ばかりだったようです。愛情を持っていてくれたのが嬉しかった。中心選手にも基本からしっかり指導していた。連覇の原動力になった」(広島関係者)

「守備、走塁に共通するのは準備を欠かさないで出足を早くすること。1歩目の重要性を常に指導していた。守備が上手い選手は走塁も伸びるといつも言っていた」(広島担当記者)

 走塁面に関しては結果が数字にも如実に現れた。2015年の広島は80盗塁(リーグ4位)だったが、河田コーチ就任後の2016年はチームの盗塁数が118個、2017年は112個となり、いずれもリーグトップを記録。脚力アップが3連覇を果たしたチームの支えの一つとなった。

「外野守備では前への打球に対するチャージを徹底。数字には現れにくいが、走者二塁でワンヒットの場合、本塁突入を自重させる効果にもつながる。攻撃的な守備と言える部分で走塁とリンクする。真の意味での機動力野球。河田効果は間違いなくあったはず」(広島担当記者)

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