広島にかつての機動力野球を復活させた河田コーチは、来季から再びヤクルトのユニフォームを着る。リーグ2連覇中、常勝球団への道を歩み始めたチームを選んだ。
「タイミングでしたね。広島復帰時に指揮官だった佐々岡真司前監督が退任し、新井貴浩監督を中心とした新政権になった。リーグ連覇中のヤクルト側からのラブコールもあったという。前回コーチを務めていた時の選手が主力となっており、さらなる高みを目指せるとも感じたのでしょう。コーチ冥利に尽きるはず」(広島関係者)
愛媛・松山でのヤクルト秋季キャンプでは、連日、グラウンド中に響き渡るほどの大きな声で指導する姿が目立った。村上宗隆を中心とした攻撃力に、機動力と強固な外野守備が加われば連覇を果たしたチームの総合力が上がるのは間違いない。
「村上や1番打者として活躍した塩見泰隆、キャプテン山田哲人などは、今まで以上にマークが厳しくなる。ヒットが出なくても得点を挙げ、守り切ることも求められる。河田コーチ復帰で細かい野球も浸透するはず。高津臣吾監督にとって心強い戦力」(在京球団編成担当者)
「私たち指導する立場が根気を持つということですね」(広島アスリートマガジン/2016年9月号)と語る指導方針は、どのチームでも変わらない。情熱の強さが各チームの結果に直結している。ヤクルトは高津監督のもと、安定した戦い方ができるようになっている。毎年のように若い新しい選手も出始めた。球団にとって追い風が吹き始めている中、河田コーチ復帰で勢いがさらに増しそうだ。