「『やってしまったな』ということがあります。めちゃくちゃ喜びたかったのですが、失敗の方にとらわれてしまって、今日は多分寝られないですね。『嬉しい、けど悔しい』みたいな」
「上げた時に、上げきれずに。踏ん張ったのですが、ずっと踏ん張っていて、最後で降ろした時に持っていかれて、それでちょっと引っかかってしまって、そのままこけてしまったという感じです。気合いが足りなかったですね」
「(リフトの)タイミングが、ちょっと僕が早く上がり過ぎちゃって。哉中ちゃんが上がり切れていないところに上がっちゃったので、そこからもう一回持ち上げなきゃいけなかったのですが、最後の最後のエレメンツなので体力的な部分もあって、上げ切れず。そのまま踏ん張ったのですが、前にバランスを倒して、崩してしまったという形で。タイミングですね。体力的にもう少しあればもっと力でいけたかもしれないですけど、(タイミングと体力の)両方ですかね」
それでも、全日本を男子シングルとアイスダンスの両カテゴリーで制したことについて報道陣から問われると、高橋は達成感を口にしている。
「そういったことは全然やる前は考えてなかったのですが、結果としてよかった。二つのカテゴリーで全日本優勝って、すごく自分にとって嬉しいことだなと思いますし。自分がシングルでやっている時は、アイスダンスで表彰台の真ん中に乗るということはまったく想像してなかったので。『36になってもまだまだ成長できるんだな』というのは改めて自分でも実感できましたし、自分にとっていいクリスマスプレゼントができたなと思います」
それでもなお、優勝の二日後、世界選手権代表選出の翌日となるエキシビションでもリフトの失敗について言及するところに、高橋の反省の深さが感じられる。冒頭の言葉を口にした後、国際大会初優勝・全日本初優勝という充実したシーズンを送れている原動力について問われた高橋は「本当にいい作品をできるだけとどけたいという気持ちがやっぱり一番大きいかなと思いますし」と答え、言葉を継いだ。