「歌会始の儀」に出席した天皇皇后両陛下
「歌会始の儀」に出席した天皇皇后両陛下
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 1月18日の歌会始。2021年に成年を迎えた愛子さまの和歌は、儀式の空気を明るいものにした。天皇陛下皇族方の和歌の秘話を、天皇家の和歌の相談役である永田和宏さん(75)が明かす。

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<もみぢ葉の散り敷く道を歩みきて浮かぶ横顔友との家路>

 愛子さまの和歌が歌会始で公表されるのは、昨年に続き2度目だ。住まいである皇居の庭でもみじの葉に覆われた道を歩いた様子を詠っている。

 今年は、天皇陛下が「コロナ禍」という言葉を詠んだことも話題になった。

「実は、愛子さまもコロナ禍について、詠みこんでいらっしゃるのです」

 と話すのは、昨年12月から天皇家の和歌の相談役となった永田和宏さんだ。

「お友達との思い出は、学生時代の最も楽しい記憶です。コロナ禍前にご友人と一緒にもみじ葉を踏みしめて歩いた学校の帰り道を思い出して、ご友人を懐かしく思う和歌です。ダイレクトに社会情勢を詠おうと思ってはいらっしゃらなくとも、大学への通学を控えて友と会えない寂しさを詠うことで、いまの社会情勢がおのずから表現されています」

1月2日の一般参賀に出席した愛子さま
1月2日の一般参賀に出席した愛子さま

 永田さんが注目した表現がある。「横顔」という言葉だ。

 2人か3人で一緒に歩いていると、自分の視界に入るのは友達の横顔である。この和歌を聞いた人は、愛子さまの目線で思い出の風景を思い浮かべることができる。そんな力がある。

<歩みきて浮かぶ横顔>

 この表現も語感のキレの良さがある、と話す。

「愛子さまは感性がとても素直です。思いをご自身の語彙のなかから探して、歌にされている」

 永田さんは、ご両親である天皇陛下と皇后雅子さまにこう話したという。

「若いときにしか詠めない表現があります。お題など気にせず、愛子さまは、どんどんお作りになるとよいと思います」

 自身と向き合い言葉を生み出す過程には、苦しみもある。普段、時間の経過とともに記憶は薄れてしまう。しかし、一首の和歌として残すことで、大切な時間は、まるで当時の息遣いが聞こえるように鮮やかに残るという。

 愛子さまは大学で、源氏物語や新古今和歌集、奥の細道など江戸時代の文学といった、さまざまな古典、日本語史などを学んでいる。豊かな表現は、そうした蓄積の表れなのだろう。

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佳子さまの和歌には胸の内が伝わってくる…