12球団監督会議が今月18日に都内で開かれ、セ・リーグの指名打者制度導入について、阪神の岡田彰布監督が、「おれはずっと反対。監督が楽すぎる。投手が回ってくるとか回ってこないとか、醍醐味がないよな」と会議後に語ったことがメディアに報じられて話題になった。
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スポーツ紙記者は、こう語る。
「2019年の日本シリーズで巨人がソフトバンクに4連敗を喫した際、原辰徳監督がセ・リーグも指名打者の導入を提案したことで大きな反響を呼んだ。当時は現場レベルでも『パ・リーグとセ・リーグで差がついているのは指名打者の有無が大きな要因』という声が少なかった。指名打者が導入されることのメリットは多い。守備が苦手な選手がレギュラーをつかむチャンスが増えるし、指名打者が組み込まれた打線と対峙する投手のレベルも上がる。試合途中に代打で交代させられることがないため、パ・リーグの先発投手は長いイニングを投げるのでタフになる」
今月23日に74歳で死去した門田博光さんも、指名打者で球史に名を刻んだ強打者だった。1079年2月の春季キャンプで右アキレス腱断裂の大けがを負ったが、指名打者で復活。81年に44本塁打で自身初の本塁打王を獲得し、40歳の88年に44本塁打、125打点で2冠王に輝き、パ・リーグMVPを受賞した。通算567本塁打、通算1678打点は共にプロ野球歴代3位だ。
現役時代にパ・リーグからセ・リーグの球団に移籍した投手は、「投げやすさが全く違いました」と振り返る。
「パ・リーグは指名打者が入ることで、9番も足が速い選手が打つことになり息の抜けない打線になる。セ・リーグは9番が投手なので流れが途切れる。8番に打力のない選手だったら自動アウトが2つ取れる感覚なので投げていて楽でした。裏を返せば、指名打者制のあるパ・リーグで結果を残す投手は本当に力がある実力者たちです。ダルビッシュ有(パドレス)、田中将大(楽天)、山本由伸(オリックス)、千賀滉大(メッツ)、佐々木朗希(ロッテ)と球界を代表する投手を調べるとパ・リーグ出身が多いのは、決して偶然ではないと思います」