また、技術的、肉体的なことだけではなく、精神的な部分が成績に影響していると指摘する声もある。
「打撃を突き詰めるタイプなので、細かい部分が気になってしまうのかもしれない。話題になった試合前の入念なスイングの確認も結果が出ている時は良いが、そうでなければ迷いを増加させる。精神的な部分で追い込まれているように感じる時もある。また、主将としての責任を感じ過ぎているようにも見える。選手を集めて『助けてください』と頭を下げたことが話題になったが、マイペースだった若手時代には考えられない。村上宗隆や塩見泰隆など、他の選手も出てきたので自分のことだけに注力しても良いのではないか」(ヤクルト担当記者)
2020年のオフに高津臣吾監督へ直訴して主将となった。当時ヤクルトは2年連続リーグ最下位と低迷中で、チームを立て直したい気持ちが強かったのだろう。その決断もあってか、翌年からはリーグ連覇を達成するなどヤクルトは勝てるチームに変貌し、山田以外にも中心選手が現れてきている。主将としての役割も重要だが、自身の調子を取り戻すことに専念しても良い時期に来ているのかもしれない。
今季はチームのリーグ3連覇のためにも是が非でも結果を残したいが、3月に開催されるWBCでは日本代表のメンバーにも内定している山田。国を代表してプレーできるのは選手冥利につきるが、シーズンへの影響は気になるところだ。
「日本代表でのプレーは肉体面だけでなく、精神的な疲労も激しい。WBC終了後はシーズンに向かって1度リセットする必要があるかもしれない。シーズン開幕後の4月中くらいに万全な状態で戻って打ちまくってくれればとも思っている」(ヤクルト関係者)
かつてイチローもWBCの出場後には胃潰瘍となるなど、日の丸を背負う重圧は計り知れない。山田自身もWBCに出場した2017年は打率.247、24本塁打、78打点、14盗塁と2度目のトリプルスリーを達成したシーズンから成績を大きく落とした。今季は例年以上に心技体が整っていないと厳しいシーズンとなる可能性もある。