ヤクルト山田哲人にとって今季はキャリアの別れ道になるかもしれない。
【写真】ヤクルトで“圧倒的存在感” 様々な場面で「欠かせない」投手といえば
トリプルスリー(打率3割、本塁打30本、盗塁30個以上)を3度達成し、今季で年齢は31歳と老け込むにはまだ早いが、ここ数年は以前のような爆発的な打撃が鳴りを潜めている。
「30代となりベテランの域に入りつつあるが、体型や身体能力の高さは変わらない。打撃練習では素晴らしい当たりを連発しているが、結果に繋がらない。(昨年は)本人的にはストレスが溜まったシーズンだったはず。それでも明るくプレーを続ける姿には頭が下がる」(ヤクルト関係者)
山田は2010年のドラフト1位で履正社高からヤクルトに入団。プロ入り5年目の2015年に最初のトリプルスリーを成し遂げると、その翌年の2016年にも打率.304、38本、30盗塁をマークし、史上初のトリプルスリー複数回達成者となった。さらに2018年には自身3度目のトリプルスリーを記録し、押しも押されぬスター選手への階段を一気に駆け上がった。
しかし、さらなる成長も期待された2019年以降は成績が低迷気味。チームがリーグ2連覇を果たした昨年は打率.243、23本塁打、65打点、10盗塁と物足りないものとなった。一定の成績は残しているものの、2020年のオフに7年総額40億円(推定)の契約を結んだ球界屈指の高給取りとしては寂しい数字だ。
「(山田は)身体能力を生かした身体のキレで勝負する打撃が持ち味。スタンスを狭めたままコマのように鋭い回転でスイングする。重心移動が少ないため確実にコンタクトでき、スイングスピードが速いため強い打球を遠くへ飛ばせる。成績が下がったのは年齢的に身体のキレが落ちたのが原因かもしれない」(在京球団編成担当)
「手を抜かず自らの練習ノルマを淡々とこなして試合に挑む。身体能力の高さと野球センスがあったので、結果にも繋がっていたのだろう。しかし年齢とともに落ちていく部分は確実に存在するので、そこを補う必要が出始めているのではないか」(ヤクルト担当記者)