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 不整脈とは、脈の打ち方が遅い、速い、あるいは不規則な状態のことで、なんらかの病気のサインの可能性があります。通常の脈拍は毎分60~100回ですが、50回以下になるものを「徐脈」、100回以上になるものを「頻脈」とよびます。強い症状がなければ、治療をせずに経過をみるだけのこともありますが、なかには突然死につながる危険な不整脈もあります。どのように見分け、どのような治療の選択肢があるのでしょうか。本記事は、2023年2月27日発売の『手術数でわかる いい病院2023』で取材した医師の協力のもとで作成し、お届けします。

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■多くは心配のいらない「期外収縮」だが…

 私たちはふだん、心臓の拍動(心拍)をあまり意識しません。脈拍を感じるのは、運動したときや精神的に緊張したとき、お酒を飲んだときなどでしょう。これらは生理的な頻脈で、問題はありません。

 逆に脈拍が遅いと感じることはあまりないかもしれません。人によっては時々、脈が飛ぶ、不規則になると感じることはあります。多くは「期外収縮」とよばれる不整脈で、とくに30代以上に起こります。期外収縮は基本的に心配はいりません。しかし何度も繰り返し頻繁に起こる、動悸やめまいの症状が強く、生活に支障をきたすなどの場合は内科を受診し、ほかの病気が原因でないことを確認しておきましょう。

 では、治療を急ぐ必要がある、危険な不整脈とはどのようなものなのでしょうか。どのような治療がおこなわれるのでしょうか。

■突然死のリスクがある【心室頻拍/心室細動】

 心臓は四つの部屋に分かれていて、右側には上に右心房、下に右心室、左側には上に左心房、下に左心室があります。心室頻拍や心室細動といった、心臓の「心室」に突然起こる頻脈発作は、突然死につながる危険な「致死性の不整脈」といわれています。

 いずれも心室で異常な興奮が繰り返し起きて、心筋(心臓の筋肉)がけいれんしたように動き、正しい拍動をおこなえなくなります。そのため血液を送り出せなくなり、脳の血流量が低下して意識を失います(失神)。心肺蘇生措置や救急搬送が必要な状態で、病院での治療開始までに胸骨圧迫による心臓マッサージや、AED(自動体外式除細動器)で電気ショックを与えて正常な心拍に戻す応急処置をおこないます。AEDは人が集まる公共の場所に設置されていて、目にしたり名前を聞いたりしたことがある人も多いでしょう。

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次の発作で心停止につながるリスクがきわめて高い