カラテカの入江慎也さん(撮影/中西正男)
カラテカの入江慎也さん(撮影/中西正男)
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 2019年に“闇営業”問題で吉本興業から契約を解除された入江慎也さん(45)。20年に清掃会社「ピカピカ」を立ち上げ、第二の人生を歩んでいます。これまで会見を開くなどして公に思いを語ることはありませんでしたが、2月1日に反省や感謝を込めてつづった著書『信用』(新潮社)を出版しました。執筆に至った経緯や、自らが引き起こした騒動後に「雨上がり決死隊」が解散した時の思い。そして、その時に蛍原徹さんらからかけられた言葉とは。今の胸の内を吐露しました。

【入江さんを支えてくれた相方・矢部さんとのツーショット】

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 構想から3年ほどかけて、2月1日に本を出すことになりました。

 そもそも、なぜ本を出そうと思ったのか。2019年に“闇営業”騒動があって、僕は吉本興業を契約解除になりました。そこから1年ほどアルバイト生活をして、20年に清掃会社「ピカピカ」を立ち上げて現在に至っているんですけど、なぜ自分が“闇営業”というか直営業をする流れになっていったのか。そして、吉本をクビになってから周りの方々にいかに助けていただいたか。

 そこにはこれでもかという思いがあるけれども、今日まで会見などをすることもありませんでした。そう考えると、決して暴露的なことではなく、反省や感謝を込めて残しておくべきではないか。その思いから、以前からお付き合いがあって信頼できる新潮社さんのライターさんと話をして、本を出すことになりました。

 今振り返ってみて、なぜ直営業に皆さんを連れて行くことになったのか。そこには相方の矢部(太郎)に対するコンプレックスがあったんです。

 相方はいろいろな形で世に出ているけれども、自分はなかなか認められない。認めてもらうためにはどうしたらいいのか。「知り合いが多い」という自分の特色を使って、人と人をつなぐ。それによって、矢部とは違う形で自分の存在意義を示す。そこがスタートだったと思っています。

 先輩が興味がある分野のプロと引き合わせる。多ジャンルの達者な社長さんを紹介する。そうやって「自分にはこういうことができますよ」と力を示す。それが少しずつテレビ番組などの仕事にもつながっていって、さらには「株式会社イリエコネクション」を15年に立ち上げて、それも吉本にも認めてもらって「入江といえば人脈」みたいなキャラクターが出来上がってもきた。

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光が当たらなくなることへの恐怖