春風亭一之輔(しゅんぷうていいちのすけ)/ 1978年、千葉県生まれ。落語家。春風亭一朝に入門し、2012年、21人抜きの抜擢で真打ち昇進。年間900席の高座をこなし、テレビ・ラジオでも活躍する。著書に『いちのすけのまくら』など。(撮影/写真映像部・東川哲也)
春風亭一之輔(しゅんぷうていいちのすけ)/ 1978年、千葉県生まれ。落語家。春風亭一朝に入門し、2012年、21人抜きの抜擢で真打ち昇進。年間900席の高座をこなし、テレビ・ラジオでも活躍する。著書に『いちのすけのまくら』など。(撮影/写真映像部・東川哲也)
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『まくらの森の満開の下』(朝日新聞出版、1750円・税込み)は、落語家の春風亭一之輔さんが週刊朝日で連載中のコラムをまとめた「まくら」シリーズの第3弾だ。

「『週刊朝日』は高校生の頃にコンビニで立ち読みしてましたね。落語家になってから、『山藤章二の似顔絵塾』に私の似顔絵が載ったときは嬉しかったですね。まさかこの雑誌に自分の文章が載るようになるとは思いませんでした。残念ながら、『休刊朝日』になっちゃいましたけど」とぼやく。

 この8年余り、編集者からのお題を受けて、毎週コラムを書いてきた。最初はガラケーで、いまはスマホで書いている。

「どこでも書けるのがいいですね。一度書いた文章を消してしまうこともありますが、その時は別の話で書き直します。失敗するとかえって心が強くなるんです」

 最初は正面から時事ネタに向き合っていたが、いまでは日常生活で起こったことを取り上げるようになった。

「読者の方から『楽に読めますね』と言われるけど、ホメられてるのかな?(笑)でも、それぐらいのゆるさがちょうどいい気がします」

 コラムで書いた話を落語の高座やラジオで話すこともある。「同じネタでも、話す場所によってギアを変えるんです」。高座、ラジオ、コラムを行ったり来たりしながら楽しんでいる。

 自分ばかり締め切りに苦しむのは不公平だと、弟子にも毎週宿題を出す。続けるうちに、みんなの文章がうまくなってきたそうだ。一之輔さん自身は、前座の頃に日記を書いていた。

「悪口とかご馳走になった話とかばかりでね。後で捨てちゃいました。いまは文章を書くことが、浮つかないための精神安定剤になってますね」

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