コラムには、新型コロナウイルス禍の影響も映し出されている。2020年春には落語会や寄席が次々に中止になった。一之輔さんはYouTubeで落語を生配信した。

「昨年は私自身がコロナに罹り、10日間休みました。寝ていてもゆっくりできず、喋っていないと不安になります。それで、ある小さな場所を借りて勉強会を始めることにしました。復帰するとまた忙しくなって、後悔していますけど(笑)」

 最近になって、落語会の全国ツアーも再開した。

「地方に行くと何かしら面白いことに出会えますね。落語会を企画する人もユニークで、商売抜きの情熱があります。そういう人たちに支えられていると思います」

 家族の話も読者には好評だ。

「息子2人と娘がときどき出てきますね。長男は春から高校3年生なんですが、勉強についてはもうアドバイスなんかできません(笑)。『いちのすけのまくら』の文庫版で解説を書いているんですが、けっこう冷静に見てるんだなと思いました」

 取材の数日後、一之輔さんが「笑点」の新メンバーになることが発表された。コラムのネタが尽きることはなさそうだ。(南陀楼綾繁)

週刊朝日  2023年3月3日号

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