その他、新外国人として高いボール奪取能力を持つMFユーリ(←ヴァスコ・ダ・ガマ)、左利きのアタッカーで10番を背負うことになったカプリーニ(←ロンドリーナ)らを獲得。DF林幸多郎(←明治大)、MF近藤友喜(←日本大)らの大卒即戦力組とU-18代表で成長が楽しみなCBヴァン・イヤーデン・ショーン(←横浜FCU-18)らの昇格組にも期待。レンタル復帰のFW小川慶治朗(←FCソウル)にも注目したい。

 退団者リストには、現役から退いた中村俊輔や元日本代表のFW渡邉千真らの名前があるが、ほとんどが昨季控えだった選手たちであり、戦力的には間違いなく底上げされた。課題は選手が大幅に入れ替わったことによる連携面、チーム戦術の落とし込みになるが、昇格初年度から旋風を巻き起こすためには、これぐらいの大幅入れ替えがあっていい。四方田修平監督の腕の見せどころだ。

■湘南「C」

 残留争いに巻き込まれながらも収穫も多かった昨季から、オフは必要最低限ながら効果的な補強を行なった。

 注目は小野瀬康介(←G大阪)。スピード抜群のドリブル突破でチャンスを作るアタッカー。2019年にはJ1で8得点をマークするなど得点力もある。G大阪を契約満了となっての移籍。まだ29歳。サイドバックもこなせる器用さを持つが、中央の攻撃的MFでの起用が濃厚だ。その他、新人では吉田新(←立正大)と柴田徹(←早稲田大)の大卒2人を獲得。吉田は左、柴田は右のウイングバックとしてレギュラー争いに加わる可能性がある。

 退団者リストには、ウェリントン、瀬川祐輔のFW陣、左サイドの高橋諒、アンカーの米本拓司、そしてGK谷晃生の名前があるが、FWには山下敬大(←FC東京)、中盤には永木亮太(←名古屋)が復帰。GKには谷と同じく東京五輪で正GKといて活躍し、カタールW杯でもメンバー入りした韓国代表のソン・ボムグン(←全北現代)の獲得に成功。それぞれ退団者の穴埋めとして獲得し、チームとしての体裁を整えた。

 レンタル移籍の立場だった阿部浩之と杉岡大暉を完全移籍に切り替えられたのは朗報だが、戦力的には現状維持か。プラスでも「ほんの少し」という評価だ。

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