■新潟「D」

 昨季のJ2王者。6年ぶりのJ1舞台となるが、オフの補強は最低限にとどめ、J2を戦ったメンバーとともに、これまで培ってきたサッカーで勝負するつもりだ。

 その中で新加入は4人。注目は、爆発的なスピードで右サイドを切り裂きながら左右両足から強烈なシュートを放つ太田修介(←町田)だ。昨夏に“至宝”本間至恩が海外移籍し、高木善朗が長期離脱している中、昨季J2で11得点7アシストの活躍を見せた太田が、三戸舜介、伊藤涼太郎とともに2列目から積極果敢にゴールを狙う。

 加えて、左右のサイドバックでプレー可能で昨季は徳島で活躍した新井直人(←C大阪)を獲得し、残り2人は22歳の大型FWグスタボ・ネスカウ(←クイアバ)と24歳の左利きサイドアタッカーのダニーロ・ゴメス(←ポンチ・プレッタ)の若手ブラジル人。昨季からの「継続」を謳っているとはいえ、補強に関しては物足りない。

 ただ、主力が軒並み残留したことで昨季戦力からマイナスにはなっておらず、チーム成熟度はアップする。あとはJ2で常にボールを保持していた戦い方が、J1舞台で通用するかどうか。大量に選手を入れ替えた横浜FCとは対照的なオフを過ごしたことで、「どちらが正解か?」という“昇格シーズンの戦い方指南”の行方にも注目したい。

■名古屋「C」

 長谷川健太体制の勝負の2年目。昨季の失点数は優勝した横浜FMと並んでリーグ最少。退団者の穴埋めをしながら、課題の得点力アップのためにも動いたオフだった。

 最注目はキャスパー・ユンカー(←浦和)だ。抜群のスピードと得点感覚で来日直後にゴールを量産して話題をさらったストライカー。故障明けの昨季はリーグ戦出場21試合と出番が限られたが、それでも7得点はさすが。コンディションさえ整い、維持できれば、新天地でも間違いなく多くのゴールを奪ってくれるはずだ。

 その他、中盤ではアンカー役、フィルター役になれる存在としてMF米本拓司(←湘南)が復帰し、争奪戦にもなっていたMF山田陸(←甲府)を獲得。様々なポジションを高レベルでこなせる万能MF和泉竜司(←鹿島)の再獲得に成功。DF野上結貴(←広島)は3バックの右CBとして計算できる存在で、レンタル復帰となる21歳のターレス(←本)も成長が楽しみだ。

 ただ、既定路線だったとはいえ、相馬勇紀の海外移籍でサイドの攻撃力は間違いなく低下。さらに吉田豊、宮原和也、レオ・シルバ、仙頭啓矢、柿谷曜一朗といった面々の退団も、心情的にも寂しいものがある。ユンカーの獲得成功で「B」評価にしていいが、退団者を考えて「C」評価にとどめたい。

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