■京都「D」

 J1昇格1年目はプレーオフの末の残留。今季が「定着」へ向けて大事なシーズンになる中、オフに多くの選手を入れ替えた。

 大きく変わるのが、最前線と最後尾。ファインセーブを連発して「神福元」とも称えられたGK上福元直人、夏場以降に失速も目立ちながらもエースとしてチームトップの9得点を挙げたピーター・ウタカが退団。その代わりに、高さとフィジカルが武器の大型FWパトリック(←G大阪)とオランダリーグで実績のあるスリナム代表GKヴァルネル・ハーン(←ヨーテボリ)を獲得した。

 その他、荻原拓也が抜けた左サイドバックとして三竿雄斗(←大分)を獲得し、精度の高いクロスが魅力でプレスキッカーとしての能力も高い平戸太貴(←町田)、さらに中央で体を張れるポストタイプのFWとして一美和成(←徳島)と木下康介(←水戸)の2人獲得。そして大卒ストライカーの木村勇大(←関西学院大)は大きなポテンシャルを持っている。

 大卒新人の福田心之助(←明治大)、ユースからの昇格組のDF植田悠太(←京都サンガU-18)とFW平賀大空(←京都サンガU-18)を含めて、新加入の数だけを見ると「大型補強」に値するが、その多くが退団者との“入れ替え”で戦力アップしたかどうかは疑問。若手の成長に期待したいが、守護神とエースが退団したことを考えると、高くは評価できない。

(文・三和直樹)

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