課題の得点力アップのために獲得したのが、J1で2年連続2ケタ得点を記録しているレオ・セアラ(←横浜FM)だ。前線でボールを収めながら強烈なシュートを放ち、守備も怠らずにハードワークでき、新エースとして期待できる。加えて、昨季J2で10得点を挙げた21歳の藤尾翔太(←徳島)をレンタル復帰させ、ユースからは得点感覚抜群のU-18代表FW木下慎之輔(←C大阪U-18)が昇格。アダム・タガートやブルーノ・メンデス、山田寛人らがチームを離れたが、FW陣の期待値は昨季を大きく上回る。

 さらに右サイドからチャンスメイクしながらゴールも奪える左利きのジョルディ・クルークス(←福岡)を獲得し、パトリッキが抜けた左サイドには同じブラジル人のカピシャーバ(←ジュベントゥージ)を補填。GKには韓国人のヤン・ハンビン(←FCソウル)を加えて層を厚くした。その他、選手権を沸かせたMF大迫塁(←神村学園高)、MF阪田澪哉(←東山高)に、ポテンシャル特大の大型ボランチMF石渡ネルソン(←C大阪U-18)がトップ昇格。彼ら期待の若手たちが早い段階でレギュラー争いに加われば、楽しみはさらに大きくなる。

 そして今月1日に発表されたのが、香川真司(←シントトロイデン)の12年半ぶりの復帰だ。今年3月に34歳となるが、技術的な衰えはなく、交代枠5人の中で様々な起用法と選択肢がある。周囲への影響力、若手の手本としても大きなプラスになるはずだ。

■神戸「D」

 現時点でビッグネームの獲得はなく、例年に比べて“おとなしい”オフを過ごし、中堅・若手中心に実務と将来性を取った補強となった。

 注目は4-3-3の両ウイング。汰木康也がいる左サイドに、ブラジル人アタッカーのジェアン・パトリッキ(←C大阪)と大卒ウインガーの泉柊椰(←びわこ成蹊スポーツ大)。武藤嘉紀がいる右サイドには、ポルトガルからのJ復帰となる川崎修平(←ポルティモネンセ)と国内5クラブ目で経験のある井出遥也(←東京V)、圧巻のスピードを持つ浦十藏(←東福岡高)が加入。チーム内の競争が激化することは間違いない。

 さらにサンペールが長期離脱から復帰見込みの中盤には、高い奪取能力を持つ実力派ボランチで、昨季はG大阪でプレーした齊藤未月(←湘南)を獲得。その他、32歳のベテランDF本多勇喜(←京都)を加え、新人としてFW冨永虹七(←神戸U-18)、MF安達秀都(←神戸U-18)、DF寺阪尚悟(←神戸U-18)の3人をユースから昇格させた。

 だが、退団リストには引退した槙野智章、活躍できなかったボージャン・クルキッチ以外に、小林友希、小林祐希、郷家友太、小田裕太郎らの主力&準主力の名前があり、現時点で明確な戦力アップは感じられない。クラブは新たなGKを探している最中で、欧州リーグの移籍が活発な夏の移籍期間で“大金”を注ぎ込むつもりかも知れない。

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