昨シーズンは全てリリーフでの登板だったが、先発もこなせるのが田口の魅力の一つ。巨人時代の2016、17年にはいずれも26試合に先発登板して2年連続で160イニング以上を投げて規定投球回に到達。ヤクルト1年目は先発も任されており、どちらでも起用できるのも強みである。

「巨人では先発を任せたかったが、本人の調子やチーム事情もあって役割が定まらなかった。全ての球種がクオリティが高く、スタミナもあって連投もできるがゆえに便利屋のようになってしまった感じもある。先発、中継ぎのどちらかで固定すれば状況も変わっていたはず」(巨人OB)

「先発で使いたくなる投手でもある。しかし球種は多いが飛び抜けたものはなく、制球力とタイミングを外すのが生命線。研究されると長い回を投げるのは苦しくなるので、やはり中継ぎが適任ではないか」(在京球団編成担当)

 FA市場での人気は高まることが予想されているが、決断を左右しそうなのが、球界の中では決して高給取りとはいえない田口の年俸だ。

「田口本人は現在のポジション(中継ぎ)に大きなやりがいを感じている。巨人時代とは状況が変わり、中心選手の1人になった。しかし2年連続で優勝に貢献した割に年俸8800万円(推定)は格安。FA宣言すれば、現在よりはるかに良い条件を提示する球団は出てくるはず」(ヤクルト担当記者)

「ヤクルトでは茶髪も許されるなど、自由度は高い。(ヤクルトに移籍したことで)目立ちたがりな性格がプラスに働いた部分は大きいともいえるでしょう。今のままがやりやすいだろうが、プロの評価はお金でもある。仮に古巣・巨人などが好条件でオファーしてきた場合にどうするか見ものでもある」(在京テレビ局スポーツ担当者)

 古巣の巨人はFAの人的補償でチームを去った長野久義(前広島)が今年から復帰。また、脇谷亮太も人的補償で西武に移籍後に、FAで再び巨人に戻った過去もある。田口が移籍した後に、ヤクルトがリーグ連覇を果たし、逆に巨人は昨季Bクラスの4位に終わるなど苦しんでいるだけに“呼び戻し”があるかも注目だ。

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ヤクルト残留が“基本線”か