ヤクルトのブルペンを支える田口麗斗は順調にいけば今シーズン中に国内フリーエージェント(FA)の権利を取得する見込みとなっている。
2021年シーズン開幕前の電撃トレードで巨人からヤクルトに移籍して2年が経ったが「田口がいなければヤクルトがここまで飛躍することはなかった」と多くの球界関係者が語るほど、その存在はチーム内で大きい。
「信頼度はナンバーワン。マウンドに上がっただけでチーム全体に活気が出る。交代後もベンチに残って大声で応援するなど、チームには欠かせない存在になっている」(在京テレビ局スポーツ担当者)
「近年は絶対的な先発投手が中心のチーム、もしくはブルペンから逆算して投手陣を組み立てるかでチームの方針が分かれる。ヤクルトは後者であり、田口の活躍で勝ち星を掴んだ試合は数えきれない」(ヤクルト担当記者)
昨年は45試合の登板で18ホールド、防御率1.25の好成績をマークし、今シーズンもリーグ3連覇を狙うチームで重要な役割が期待される。オフには昨季まで抑えだったスコット・マクガフが退団。清水昇、木澤尚文、石山泰稚、新加入のキオーニ・ケラなどの中から後任が決まるが、クローザーの前を任される田口の重要性はさらに増す可能性もある。
「(ヤクルトは)セ・リーグを2連覇中だが、昨年は日本シリーズでオリックスに敗退した。日本一奪回とともに、チームが今後も勝ち続けるためには(田口は)必要不可欠でもある。FAは選手の権利であるが、ぜひ残って欲しい」(ヤクルト関係者)
ヤクルトにとっては今シーズンだけではなく、“将来的”にも必要な選手であるが、他球団からの評価も非常に高い。今年も昨年のような安定したピッチングを披露することができれば、FA市場での人気は予想以上に高まる可能性があるという。
「中継ぎのみでなく、先発や第二先発もこなすことができる。イニングイーターとして長い回を任せることも可能です。チーム事情に応じて様々な用途で使える投手は少ないので欲しい球団は多いでしょう」(在京球団編成担当者)