TikTokの「撮影場所」でもあるご自宅での竹田こもちこんぶさん
TikTokの「撮影場所」でもあるご自宅での竹田こもちこんぶさん

「その友達も2児の父親になったので、子育てが暇ではないことを思い知ったのではないかな(笑)。改めて思い返すと、子育ては経験してみないと、わからないことではないのかと思いました。岸田首相の発言に子育て経験のある人たちは『そんな暇ねぇーし』って誰しもが突っ込みんだと思うけど、岸田首相も私の友達みたいなことを言う人も世の中にはたくさんいるんじゃないかなと思いました。そう考えると、あの発言があって、みんなで子育て支援を考えていく、いいきっかけになったと思います」

 もう1点、岸田首相の発言に突っ込みたいことがあるという。「あの発言は、効率的なものの見方から出たことだと思う」と竹田さんは言う。

「育休中の時間を有効活用して、復帰したときに生かすという意味でのリスキリングだと思います。でも、子育てしていると、時間の有効活用とか効率っていらなかったり、邪魔だったりするんですよね。大人になると効率的な物事の進め方が身についてしまうけど、子育て中は効率を排除しなければならない場面もある。ひたすら待つ時間があったり、遠回りなことをしたり、見守るだけだったり、やり直しをしたりの繰り返しで無駄に見える時間が大事なこともある。それが、1人の人間の大きな成長につながっていく。だから、効率重視で進めていくことはできない」

 確かに効率は大人にとっての物差しで、子どもを巻き込んでいるかもしれない。

「効率重視だと、むやみやたらに子どもを急かす場面が出てきてしまう。私は、ただ一緒にいる時間というのも大事だと思っている。だから、首相の発言を聞いたときに、『もったいないことだな』と思ってしまった。子どもと過ごせる時間は限られていて、その大切な時間をスキルアップのために使ってしまうのは、もったいないという見方もあるなと」

 岸田首相の発言から3日後、1月30日の衆院予算委員会で「あらゆるステージにおいて、本人が希望したならば、リスキリングに取り組める環境整備を強化していくことが重要だという趣旨で申し上げた」と釈明した。

 岸田首相は自分も子育て経験者だということを付け加え、「子育てが、経済的、時間的、さらには精神的に大変だということは目の当たりにしたし、経験もした。産後・育休時の大切さを承知しているからこそ、育休制度の拡充に取り組み、次元の異なる少子化対策に取り組んでいる」と強調した。

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それこそ「子育てあるある」