AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:誰といても大抵の人からは好かれる人柄だと自負している部分がそれなりにあるのですが、誰といても自分はその人たちの1番ではなく、2番である気がしてとても悲しいです。大勢じゃなくていいから、誰かの1番になれるような人に変わりたい。(女性/大学生/20歳/ふたご座)
A:まず僕はあなたに盛大な拍手を送りたいと思います。
誰からも、1番に好かれていないことに気づいてしまった。それはすごく素敵な発見です。自分が情けないと思うかもしれないけど、その発見は最大のチャンスなんです。そこまで自分をちゃんと追い込んだことに、拍手を送りたい。そこまで行けばもう大丈夫。そりゃもうえらいです。
そのうえで、じゃあどうやって誰かの1番になるかっていう話をしたいと思います。
このご相談を聞いて思い出した言葉があるんですが、ある映画監督の人がですね、「表現は幕の内弁当であってはいけない」とおっしゃっていたことがあったのです。
もちろん幕の内弁当も素晴らしいんだけど、やっぱりそれなりというか「外れのなさ」みたいなのがあって、そこに弊害がある。もし、「このたくあんだけは絶対に妥協できない」みたいな採算度外視のたくあんが入ってたら、すごみがあるじゃないですか。「うちの弁当はたくあんが主役だ」と言い切っている弁当は、異様な空気を放っている。